中学校の一大イベント・学祭の時も、南くんはとても優しかった。 私のクラスは校内の装飾をすることになり、毎日、放課後も使って準備をしていた。 私は、天井からつり下げる飾りを作る係。 同じ係だった薺ちゃんは風邪で学校を休んでしまい、女子1人で作業していたある放課後。 「っあー、疲れたぁー!」 「増川、俺ちょっと水飲んでくるわ」 「あっ、ずりぃー! 俺も!」 「あっ…う、ん。どうぞ…」 私と同じ係の、装飾作りなどの細かい作業とは無縁そうな男子3人が、そう言って教室を出ていく。