「…、え…?」 思わず顔を上げた。 「あれ、気づいてなかった? 昨日俺、増川と一緒に帰ってたんだけど…」 「え…?」 昨日…って、傘に入れてくれた、あの人…!? 「でも良かった。風邪引いてないみたいだし……うん、良かった。…あ、川上待たせてるね、ごめん。じゃあ俺帰るね」 「…あっ、はい…」 そう言うと南くんは走っていき、薺ちゃんに頭を下げて、昇降口へ向かっていった。