体育祭の練習は男女別でやっていたから、私を含めた女子は知らなかった。 松葉杖をついている男子は、体育祭の100メートル走の練習中に足首をひねり、運悪く骨折してしまったらしい。 「席どこだっけ?」 「席…は、そこ!」 じゃあ南くんが靴箱にずっといたのは、その男子を手伝うため…? 「早く治しなよ」 「おぉ。悪いな、面倒かけて」 南くんは優しい。 そう思ったら、いつの間にか南くんを目で追うようになっていた。