憎くなるほど晴れ渡った空。 「…にゃーお」 「ん…? あ、猫」 ちょうど俺の足元に来た三毛猫。しゃがんで頭を撫でてやる。 その気持ち良さそうな顔を見て、少しずつ割り切れてきた。 …時間かかるかもしれないけど、美和のために、ちゃんと諦めよう。 「……よし、もう良い? じゃあね」 立ち上がると、猫は俺の背中のほうを走っていった。 俺は少し振り返りかけたけど顔を真っ直ぐ前に向けて、歩きはじめた。