美和はあの場所にしゃがみこみ、なにかを書いていた。


やがて、書き終わったのか、そのコンクリートをじっと見ている美和。


…なにしてんのよ、終わったなら、寒いんだから早く帰りなさいよ…!




それが通じたのか、すぐに美和は立ち上がり、力なさそうにフラフラと帰っていった。



「大丈夫なの美和……?」

いつもの隠れ場所に向かいながら、さっきの美和の様子が心配になった。


美和のことを考えながら、今日もじっと待つ。









ーーーすると、


「っ!」



あの場所に、ついに1人の男子が足を止めた。

そしてしゃがみ、さっき美和が書いた文字を見ている。




……って、あれって、うちの高校の制服じゃん…!




その男子は、そこになにかを書きはじめた。



…よし、今だーーー


あたしは隠れ場所から飛び出した。




「って、ええ!?」


「…ん? わ! え、川上!?」


は、え…ウソでしょ!?




そこにいたのは、なんと南だったのだ。


変な人どころか、美和の好きな人じゃん…!