教室に戻り鞄を取って昇降口に行くと、すでに帰ったと思っていた薺ちゃんがいてびっくりした。 「薺ちゃん!」 「美和、お疲れ」 昇降口を出て並んで歩きながら、薺ちゃんが「どうだった?」と聞いてくる。 「ちゃんと断ってきたよ。これからも友達だって言ってくれた」 「そっか、良かった…!」 笑って頷いた薺ちゃんは、私の肩をぽんと叩いた。