放課後、薺ちゃんには先に帰ってもらい、私は指定された図書室に向かった。



中に入るとすでに高嶋くんはいて、こちらに背を向けて椅子に座っていた。


しーんと静かな室内には、私と高嶋くん以外に誰もいない。




「…高嶋くん!」

「っわ!」


後ろから、少し大きめの声で高嶋くんを呼ぶ。


私の予想以上に驚いた高嶋くんは、ガタガタッと椅子から立ち上がった。



「ごっ、ごめん!」


「…美和じゃん、びっくりした…。大丈夫」


私を見た高嶋くんはすぐに笑った。