ある日の放課後の帰り道。
「じゃあ、また明日ね」
「うん、じゃあね薺ちゃん」
薺ちゃんと別れて歩いていると目に止まった、あの不思議なやり取りをしていた場所。
誰かさんとのやり取りは、もうしばらくしていない。
私はため息のような深呼吸のような深い息を吐き出す。それは白い雲になった。
もうすっかりマフラーと手袋が手放せなくなったこの時期に、私は毛糸の手袋を外してしゃがみ、小石を拾って心の内を打ち明けた。
好きでいるのが辛くなった。
でもそれをやめようとすると、胸のずっと奥が痛む。
でもやっぱり辛い。
痛みを我慢して、好きをやめるべきなのか…。
気持ちの整理がつかずぐちゃぐちゃな心の中が、書いた文に表れていた。
寒さのせいなのか好きをやめることの怖さなのか、手の震えが止まらなかった。



