汐浬ちゃんが走っていったほうをしばらく立ち尽くして見ていた。




ふと我に返ると、さっき自分がメアドのことを承諾してしまったことを後悔しはじめる。



「…私のばか…あほ…っ」


やっぱり、私には断れなかった。


長くて深いため息を吐き出すと、薺ちゃんが待ってくれている昇降口に向かった。






「薺ちゃんごめんね。お待たせ」


そう言うと、座っていた薺ちゃんは少し笑って、「じゃ、帰ろ」と立ち上がった。