「お願い! 美和ちゃん! こんなこと、美和ちゃんにしかお願いできないの…!」




なのに、目の前で必死に手を合わせてそう言う汐浬ちゃんの姿を見てしまったら、放っておけなくなってしまった。

「わかったよ、任せて…!」

「ほ、ほんと!? ありがとう!」


汐浬ちゃんは、一気にぱあっと表情が明るくなった。


そのまま手を振り、「引き止めちゃってごめんね! じゃあよろしくね!」と言葉を残して、昇降口へ走っていった。