膝に落としていた視線をそっと汐浬ちゃんに移すと、耳まで赤く染めて恥ずかしそうにしていた。 「…わ、私ね、実は…悠弦くんのことが、好きなの」 その瞬間、足は動かなくなり、目の前が真っ暗になった。 同時に、思考回路も完全停止した。 その時、いきなり吹いた強い風が隣のブランコを揺らした。 その錆びた音が、私の頭の中を通過した。 もう、なにも、考えられなくて、なにも、聞こえなくなった。