「神澤、消しゴム忘れた。貸して」 彼の言葉に、身体をビクッとすくめる。 「神澤、け・し・ご・む。」 後ろからの重圧がすごい。 引き金をひいたのは、昨日の出来事。 今は、1時間目の数学の時間。 比較的小さい声だが、とにかく命令口調で脅してきている坂城君。 ………超恐ぇ。 後ろを振り向いて、すっと消しゴムを置く。 そして、すぐ前を向く。 後ろから、ケシケシケシと消しゴムとノートがこすれる音がする。 なんでこんな事に!!