小さい恋


『すいません。分かりません(ノ_・,)

どんな人ですか?

逆に、先輩も私のことご存知ですか?笑』


ーー可愛い。//

たった顔文字1つでこんな可愛いと思うものだろうか。


原田は小文字使いが巧みで
有料の動く絵文字を使うほど
メールが鮮やかだ。


それにすら何も感じない俺が
顔文字1つでこんなとか。。


喋ったこともないのに、一目惚れって怖いものだ。


『俺ねー、いつも萩野の隣にいる背が小さいやつだよ。

知ってるよー笑
いつも走ってるの見てるし笑』


送ってから気付いた。


ーーえ、俺今めっちゃ恥ずかしいこと言ったくね?


また1人で顔が真っ赤になる。


次の吉本さんの返信が気になって仕方ない。


『そうなんですか笑

今度見てみます。

あ、もう寝るので、おやすみなさい!』


ーーノータッチ。。

何も反応がなかったことが意外にもショックだった。


ーーえ、てか寝るの早くね?まだ10:30じゃね?

もしかして俺とメールしたくなかったんかな。。


かなりモヤモヤした。

まだ旬でない苺をかじったような気分だった。