「おはよー朱莉」
学校に着いて1番最初に
声をかけてきたのは
佐野舞歌。
中学校からの友達だ。
1年生の時はクラスが
違っていたが
廊下ですれ違うたび
おしゃべりしていた。
すでにクラス分けが貼られている
掲示板を見てきたらしく
同じ2年1組であることを
教えてくれた。
舞歌「今年は同じクラスだね〜♪
今から修学旅行とか楽しみだよ!」
朱莉「修学旅行…」
今年は修学旅行なんだ…。
カップルとか多そうだな〜(苦笑)
「えー球技大会でしょ!」
後ろから話しに入ってきたのは
高倉実緒。
1年生の時同じクラスで
何回か遊びに行ったこともある。
バスケ部の推薦で入学してきた
実緒は、スポーツ大好きで
体育でもいつも本気でやっていた。
実緒「おはよっ!今年もよろしくね」
3人で教室に着くと
中では女子が集まって
何やら盛り上がっている。
実緒「なになに?どうしたのー?」
そういうところに普通に
会話に入っていける実緒を
ちょっと尊敬してしまう。
私と舞歌も会話に加わってみる。
すると、何やら今日
転校生が来るらしい。
どこからか男子という情報が
出回り、イケメンだったら
どうしようという謎の討論が
繰り広げられているらしい。
さっさと机に戻る。
実緒と舞歌はまだ話している。
学校の男子に…いや、もはや
本当に好きな人がわかると
他の異性には興味がなくなると
いうことを知ったのは
14歳の夏。
初めて異性に告白され、
付き合ってみたものの
1ヶ月もしないで別れを告げた。
比べるには結果が分かっていても
やっぱり好きだとカッコイイと
思うのは1人だけで、
どうしても1番に好きとは
いえなかったので、
別れてしまった。
私が1番好きな人…それは…
実緒「朱莉っ!この子も
'' Stand! '' 好きだって!」
一瞬ドキッとした。
Stand! は私が1番好きな
アーティスト。いわゆるアイドル。
メンバーは
リーダーで少し天然の Kei (25) 、
面白くてどちらかといえば
可愛い系の Maki (24) 、
運動神経抜群のめっちゃ
ダンスが上手い Shun (24) 、
1番年下だけど
しっかり者の Naoto (23) の
4人グループ。
