雪美はとても嬉しそうだ。

じゃあ、何にもなかったんだ。

あたしはホッと胸をなで下ろしたけど、まだ別の問題が待っている。

「あ、そう言えば」

雪美が思い出したように言った。

「昨日山吹センセーが梨代に何か用事みたいだったんだけど」

「えっ?

用事?」

その用事はとっくに済んだけど、とりあえず返事する。

「じゃあ、放課後に聞いて見ようかな?」

「そうした方がいいよ。

何だか慌ててたから」

「うん…」

そろそろ、向きあうべきなのかも知れない。

先生が好きと言う、自分の気持ちに。