「今日は離さないからね?

帰ろうとしても、ダメだから」

「えっ…」

つながられた、先生の手とあたしの手。

しかも離さないって…。

自分の言ってること理解してるの?

「行こうか、梨代。

後少しで時間だから」

甘い笑顔で最後まで言うと、あたしの手を引っ張った。


まだ上演されていない映画館の中。

当然、先生と隣同士。

「ポップコーン食べる?」

「…まだ始まってないじゃないですか」