「っとにもう!」

悔しい以外何と表現しましょうか。

しかも、
「おしゃれする意味なんかないっつーの!」

あたしの今日の恰好は黒のギンガムチェックのシャツと水色のひざ丈のフレアスカート。

足元は茶色のショートブーツで決めて見た。

昨日の夜、クローゼットとタンスを漁るだけ漁って選んだ今日の服。

期待してる訳じゃないのに。

このまますっぽかしてやろうかしらと思っていたら、
「お待たせ」

後ろから抱きしめられた。

「ちょっ、先生!?」

ニッと、先生は得意そうに笑った。

「あんまりにも後ろ姿がかわいかったから抱きしめたくなっちゃった」

あたしから離れ、先生は頭から足と視線を動かしてあたしを眺める。