優しい人

「だから私と付き合ってくれませんか?」



「は、はい」それしか言えなかった



少し力が緩んだかと思ったら

オデコにキス


え!?と思って顔を上げたら

優しくキスをした


1度離れて、又熱い吐息まじりのキス
「美咲」


思わず声がでる
「ん‥‥っ」


身体に力が入り部長の腕をギュッと掴む

キスは熱を増し、激しく口内を犯す


今度は酔いのせいか、キスのせいか、ボーッとなり身体の力が抜けていく


そんな私を、しっかりと抱きしめ
「スミマセン、感情が抑えきれなくて…」申し訳なさそうに言う




「は、はい」思っていたより筋肉質な身体
見かけはとても細く見えるのに




部長は、私の手をそっと取り
「戻りましょうか」と歩き出す



何を言っていいのか、考えがまとまらず黙っていると
「大丈夫ですか?」私が気分を悪くしたのかと思ったらしく、心配そうに見つめる



「大丈夫です、スミマセン」



「大丈夫なら良かった、車の中で少し休みましょう」



車に戻り、夢じゃないかと思って
「夢じゃない…ですよね…」



「現実ですよ、何ならもう1度しましょうか?」何が嬉しいのか分からないけど、満面の笑みで答えてくれた



「……」私は言葉に詰まってしまった




「冗談ですよ、私としてはしてもよかったんですけれど」頭をポンポンとしながら、楽しそうに言ってくれる