「そうか......あれを見ちゃったのか。」



「何で華澄が私に嘘をついたのか

気になって聞いたら華澄、

何も言わなかった。

先生、どうしてあの日華澄は

学校に来ていたんですか?」



何で華澄は何も言わなかったんだろう?


「棚岡さん、それは直接本人から

聞いた方がいい。」



「え?どういうことですか?」


「きっと嘘を付いた理由も

分かるはずだよ。」



先生、それはどういう意味ですか?

嘘を付いた理由も分かるの?


「本当はもう仲直りしたいんじゃない?」


「え?」


先生は私の目を真っ直ぐ見て言った。


「本当は謝りたいんじゃないかな?」



優しく先生は私の頭に手を置いた。



本当は...私も悪かったと思っている。


あの日、華澄の変化にすぐに気付いたのに


私は何も言わずに家に帰った。


あの時、ちゃんと話を聞いてあげていれば


こんなことにはならなかったのかもしれない。