次の日の朝、学校。


「華澄、おはよー。ちょっといい?」


私は華澄におそるおそる話しかけた。



「おはよー、夏歩。うん、どうしたの?」


昨日と違い華澄の声は明るかった。



廊下に出て二人で話す。



「昨日さ、私学校に忘れ物してて取りに戻ったんだ。」


「え?」


華澄はびっくりした顔。


「そしたら里ノ浦先生と華澄と華澄のお母さんが職員室から出てくるの見ちゃって。」


華澄の顔はだんだん青ざめていく。


「ねぇ、何で嘘ついたの?塾に行くんじゃなかったの?ねぇ、華澄!」


「......」


華澄は俯いたまま、ただ青ざめて

何も言わなかった。


「華澄なんて大っキライ!絶交だ!」


「夏歩!」


私は華澄の話も聞かずに自分の席に戻った。