そして、別れの日が訪れた。
けど、こんな日にも私はバカで
朝寝坊をしてしまった。
華澄が転校しちゃう日に!
どうしよう!時間がない!
間に合って!華澄!待って!
駅に向かって私は走る。
どうにか間に合ったようだ。
息を切らしながら人の集まる場所へ近付いた。
クラスメートのみんなが華澄の見送りに来ていた。
「華澄!」
華澄に近寄った。
「もう!夏歩ったら!遅いって!」
華澄は笑って私の背中を叩く。
私は涙を溢れさせた。
「華澄~!やだよ~!ううっ...ヒック」
「夏歩、泣かないで...よっヒック」
二人で大泣きしてしまう。
「あ、華澄、手紙...書いてきた」
「私も書いてきたよ...夏歩ズズッ」
鼻を啜る華澄。
「え?本当?」
まさか華澄も手紙を書いてくれたなんて。
「言いたいこと上手く言えそうにないから」
悲しそうに笑った華澄。
「離れても親友だからね!華澄!」
私は華澄に抱き着いた。
「当たり前だよ!夏歩のこと忘れないから!」
華澄も私を抱きしめる。
「元気でね。華澄。がんばってね!」
「うん、頑張る。夏歩も元気でね!」
お互い手を振り合う。
ありがとう、華澄。
親友でいてくれてありがとう。
私と仲良くしてくれてありがとう。
華澄がいたから今まで楽しかったよ。
支えてくれてありがとうね。
大好きだよ。
転校しても華澄のこと、忘れないよ。
END

