「ああ、この厳つい風貌も相まって
 誰も近づいて来やしない
 
 だから、口を開く必要もなく
 根本的な性質は隠せていたが
 初対面の人ともなればさすがにねぇ
 ボロが出やしないかとヒヤヒヤするよ」


安堵した表情を見せる、京次さん。


「何とか無事に終わって良かったですね」

「ああ、でも、これから
 長くお付き合いする間柄だ
 
 もっとうまく話せるようにならなきゃ
 だめだな」

「そんな、そんなのいいですよ!
 
 ケイジさんはそのままでいいです!
 
 ムリすることなんてないです!」


つい熱が入りすぎてしまった私、京次さんは驚き目が点状態になってる。

恥ずかしさから顔だけでなく耳まで真っ赤に染める私に京次さんは笑みを零しながら言った。


「ははっ、そうかぁ
 
 じゃあそうするか

 俺は俺のままで」

「はい、それが一番です」

「じゃあ、今後
 フォローの方は頼んだぞ」

「はい!」

「そうと決まれば、少し早いが
 今日のところはジュンジを
 迎えに行って帰るとするか」

「あのぅ、ケイジさんいいですか?」


結婚が決まってからずっと胸にある想いを私は口にする。