「そうですね

 最初は怖かったですけど
 今はもう平気です!」

「ふうん、平気ねぇ~

 まあ、いっか、どうせ犬にするか
 猫にするか迷ってなかなか答えも
 出ない

 とりあえず、おまえで!」


貴方と初めて会ったのは、ペットショップを立ち去ってしばらくしてからだったはず。


犬か猫が、とりあえず私……それって、いったいどういうこと!?


「アニキ、それって不倫じゃ……」

「バ~カ

 俺は今じゃ妻に先立たれて
 独身だっつーの」

「でも、いいんすか……」


貴方は今、妻に先立たれたと確かに言った。


「ジュンジ、こっちこい

 スガちゃんがさ
 おまえのママになりたいってよ」


スガちゃんって私のこと!


「誰がそんなこと!?

 どうしてそうなるんですか!
 
 ケイジ先生、話飛び過ぎですよ」

「ケイジでいいよ

 本名も京次だから」


京次……ヤクザさんなのに、ケイジ(刑事)さんだなんておかしいけど素敵な名前。

私の足元に立つ潤司君は私の手を取って見上げて言った。


「メイちゃん、ほんとう?」

「……」

「なるかもって話な」