冗談……
運転する車のフロントガラスから見える家----
その姿にやっと寛ぐことができるとホッと息をつく俺に聞こえた声。
遠い昔……聞こえたその声の方、助手席を見る俺。
そこには、顔色一つ変えることなく前だけを見つめて話す君の姿があった。
そんな君に運転しながら俺は言った。
「冗談は寄せよ」
「じょうだんなんて私言わないよ
本気だもの
ケイ兄さえオッケーなら
イズモに伝えるつもり」
「絢、お前
自分が何言ってるのか
わかってるのか!?」
「うん!
そんなに驚くこと無いでしょう
モトさんだってきっと天国で
こうなること喜んでくれるはず」
前屈みになった君はフロントガラスから見える空を指差した。
「さあ、それはどうだろうな」
「どうして?
この私が本当の娘になって
あげるんだもん
絶対に喜んでくれるって」


