深海魚Lover

鍵が開き、開く扉……

「キョンさん、おそ~い
 ぼく、おなかすいたよ」

「ごめんごめん、悪かったな」

潤司を抱き上げる京次の傍に荷物を持って立つ、先生。

「まどか先生、すみません
 荷物、頂きます」

潤司の荷物を受け取ろうとした京次の手から荷物を遠ざける、先生。

門の外、先を歩きながら言う。

「お車までお持ちしますよ

 ところで、イバラさん
 お仕事大変なんですか?
 
 最近はめっきり
 お迎えにはいらっしゃらないので……」

「ああ、すみません
 まどか先生がお休みの日に
 園長先生にはお話したのですが
 伯父の出雲と充以外にも
 ジュンジの迎えには……」

「確かあの方は、二番目の奥様?」

「えっ!?」

「ジュンジ君が以前
 そう話して聞かせてくれました」

「ジュンジ、おまえな~」

「新しい奥様
 とても清楚で感じの宜しい方ですね」