深海魚Lover

右田の前に立つ、厳つい男。

「ああ、おまえは痩せて
 一回りは小さくなったか?

 出て来たなら出て来たで
 なぜ本部に挨拶に来ない
 親父も待ってるぞ

 まあ、来れねえ理由は
 これだってわけだがな」

「すいません

 これしか思いつかなくて」

「おまえはいつもそうさ
 
 利口ぶって見せているが
 裏ではいつも突拍子のない事を
 企み行動に移す輩(やから)

 こっちはおまえが遣りそうなこと
 だと最初から了承済みだ」

「でしたら話は早いようで

 私は次期組長には四奈川を
 押します」

「ふん、余計なことを

 シナガワ、おまえに俺達が遣れるのか?」

「はい、命かけて遣らせて頂きますよ」

「なあ?

 そんな危険を冒してまで
 おまえは上になりたいのか?」


そう四奈川に問うのは、今まで黙っていた出雲。


「はい、アンタ等に任せていては
 組の行く末が案じられて
 夜も眠れやしない」

「何を~!」