深海魚Lover

何て書いてあるのかさっぱりわからない大きな額の中の字は、墨で書かれてある。

極めつけは日本刀ですか?

こんなもの、こんなところに置いて銃刀違反じゃないの!!


下山さんの後を追って恐る恐る中に入ると、そこは散らかり放題。

背を向けてソファーに寝そべる男性は、スエット姿でボサボサの頭を掻いた。

起き上がる、無精髭に眼鏡の男性……


「大変ことになってますね
 後で片付けに誰かこさせましょうか?」

「いやっ、もう人を呼んでるのでお構いなく

 でっ、そちらさんが例の……」


私の顔をマジマジ見つめる男性は眼鏡を外して、瞳を閉じては目頭を軽く押さえた。


「はい、画家のスガメイコ先生です」

「スルメイカ?」

「砂賀芽衣子です!

 初めまして……じゃない」


私の瞳に映る男性に、私は見覚えがある。


「おまえ、やっぱりなぁ
 
 この間、助けてやったのに
 俺から逃げた女」

「あれは、逃げたんじゃありません!」


男性はやっぱり、あの日の私の行動を誤解している。