そう言うミーコは、いつもの子猫みたいなミーコじゃなかった。
艶のある瞳、
泣いた跡がある頬。
小さな唇。
思わず見とれずにはいられなかった。
「先輩・・・」
「そうゆう所が・・・」
スッとミーコの頬を包み、涙の跡を擦る。
「つーか。ミーコの全部好き」
そう言うなり、ミーコの全てを抱きしめた。
小さい、小さい体。
出会った時から惹かれてた女の子。
可愛くて、
素直で、
気ままで、
ポワーンとしてる様に見えて、シンのある性格。
気が付けばミーコはいつでも俺の中にいて・・・
「せんぱぁいっ」
気になってしょうがなかったんだ。
「私も、私も先輩の全部が好きです」
ポロポロと涙を流しながら、俺の胸によりそう。
だから。
だから言っただろーが。
「ミーコ」
泣いた顔みたら止まらないって。
止めれないって。
「んっん」
無理矢理のように首を持ち上げて、ミーコの唇を貪る。
「ふぅ、ふ」
生まれたばかりの子猫みたいに、上手く鳴けなくて苦しんでいるみたいだ。
「鼻で息しろ」
そう言い放ち、もう一度唇をぶつける。
よたよたと俺の肩に両手を置き、ギュッと目をつぶっている。
「ミーコ」
少しだけ顔を離して、ミーコを呼ぶ。
「?」
「俺を見て」
目をつぶっていたミーコは、俺の言葉通り少し目を開ける。
「幹夫せんぱ」
キスで濡れた唇が、少し動き俺の名前を呼ぶ。
「美依」
そう呼ぶと嬉しそうに微笑み、
やっぱりキスで濡れた俺の唇を
ぺろりと舐めた。