「せんぱ、い?」


「ミーコ。さっきの嬉しかった」


ぱっと振り向くと、はにかむように微笑む先輩がいた。


「好きって言葉を聞いて、思わず笑っちゃいたくなるほど嬉しかった」


先輩が大笑いした事を思い出してちょっとムスっとする。


「嬉しい、だけですか・・・?」


自分でもビックリする位、積極的な質問だと思う。


「ミーコ?」


「嬉しいって気持ちだけ、ですか?」


でも言ってしまったからには、後に引けない。


【好き】って言葉を伝えてしまった以上、それに対する言葉を聞かなければ。


「クク、ミーコってポワーンとしてる様に見えて、意外としっかりした女だよな」


“子猫”じゃなくて“女”って言ってくれた。


「そうゆう所、超スキ」


それを聞いた瞬間、思いっきり後ろを振り返る。


「せんぱ・・・?」


「ミーコの笑顔も、優しいところも、全部・・・」


「センパイ!」


先輩の言葉を遮り、先輩に抱きつく。


もちろん・・・両手で先輩の首に。


「ウワ!!」


感動的な告白タイムには、似合わない音が公園に響いた。


ドシーン!!





・・・


・・・


「いってぇ・・・」


私が鎖を離して先輩に思いっきり抱きついたせいで、バランスを崩した先輩と私はそのまま後ろに落ちた。


私を庇う様に抱きしめながら落ちた先輩。


「先輩っ」


地面に腰を付いた先輩に、思いっきり抱きつく。


「ったく!危ないだろミーコは!」


そんな言葉じゃなくて、続きを言ってよ先輩。


「先輩、続き」


「・・・」


「優しいところも。なんですか?」