ー…HR開始のチャイムが校内に鳴り響く。



それを合図に生徒達は自席に戻っていく。
私は本に薄いピンクの栞を挟み、鞄に仕舞った。


担任の長い話も終わり、日直の号令と共に鞄を持って皆部活や委員会へと急ぐ。


何故そんなに急ぐのかがわからない。


私は部活には入っておらず、いつもこの放課後は図書室にいる。


(今日、本の整理の日だっけ。)


毎日委員会があるわけでもないのに、私は委員会の仕事をしに図書室へ行く。


『図書委員会』、私が入っている委員会だ。


通学鞄を揺らし、誰も居ないであろう静まり返った図書室へ入った。