最初の席替えを終え、奇跡的に角の席になった私は、一人日課の読書をしていた。
窓を少し開けると、暖かい風が頬を掠めた。
本というものは、どうしてこんなにも素晴らしいものなのだろうか。
毎回思ってしまう。
時間を忘れ、嫌なことを忘れられる。
私にとって読書の時間は、至福の時である。
読書の最中、邪魔をする人は居ない。
いや、「友達が居ない」そう言えば簡単だろうか。
友達が居なければ彼氏も居ない。
何度も女子の会話に入ろうとしたが、
この人見知りのせいで近付いては離れ、近付いては離れを繰り返していた記憶がある。
