そんな毎日にも飽きが来た六月始め。
俺は学校から抜け出し散歩していた。

何気なく立ち寄った川沿いの土手に一人の女の子がいた。
後ろ姿はどこか寂しげで悲しげだった…。
何してんだ?
『お…〈面倒だと~思いながら~君は僕にキスをした~♪…〉』
声をかけると同時に歌声が聞こえた。
とても綺麗で透き通った声。
聞き入ってしまう…。
〈…君の居る方へ~♪〉
あ…。
彼女は歌い終わるとくるりと振り返った。
ドキン!!
俺、朔夜は只今恋に落ちました…。