衛圄さんて人は、凄いんだなぁ。
と、素人ながらに素直に思えた。

風景画が主にって感じで、油絵や水彩画が飾られていて、一方通行で一枚一枚眺めて行く。


どれも素敵だけど……、それでもあたしが1番好きだなって思えるのは―――……。



とうとう最後のスペースに差し掛かった時、視界の端に鮮やかなピンク色が飛び込んできた。




……、これ……。



引き込まれるように、その絵の前にたどり着く。






「……っ、……」





知らないうちに涙か頬を伝って、パンフレットを持った手の上に落ちた。

とめどなく溢れて、もう止まらない。



涙でなにもかも見えなくなりそうな中、あたしはその絵のタイトルを見つけ。


そして、夢中で走り出していた。