「あの週刊紙を見た時の気持ちわかる…?

私には入ることのできいない世界で…一般人だから、あんな薄い雑誌の情報に振り回されてっ…。」


砕けた心が震えだし
大粒の涙が溢れて止まらない


「あの記事については何も…聞かなかったじゃねーか。だから…」



「聞けなかった!

……

聞くのが…怖かった…。


でも
モト兄を信じようって必死に思ったのに…

なのに…

モト兄は…あの人を選んだじゃないっっ…!」


小西美津子がモト兄に抱きつく光景が浮かんだ


「あの人は当たり前のようにモト兄を呼んだ!
私が呼んだこと無い名前で…

そして
何よりも辛かったのは…

モト兄がなんの躊躇いもなく、あの人の名前を呼んだことっっ…」



溢れる感情を叩きつける


「ずるいよ…
モト兄はずるい…。

自分は何も言わないで
こんなこと…してっ…

私の気持ちも考えてよ!!」


私はその場から走り出した

振り返らずに
感情のままに

私はモト兄のもとから離れた