僕は、加藤の電話から6時間後・・東名の用賀の入り口横にあるマクドナルドの駐車場に立っていた。
しばらくするするとドドドドド・・・ッと言うなんとも言えない低音の心地良いエンジン音が聞こえた・・
ハレーか?いい音してる・・
僕はそんな事を考えながらタバコに火をつける。
僕の前に一台のバイクが止まった・・僕と同じ方のハレーであった。まったく同じタイプの・・
女か??バイクから降りたライダーの胸のふくらみを何気に見ながらそう思った。
ライダーはゆっくり歩きながら、僕に近づいてくる・・
えっ・・・ま・・マジ!!
僕は思わずその、ライダーの顔を見た瞬間!そう叫びそうになった・・・
そこには・・佐藤今日子が立っていた。
「どうされたんですか?凄い偶然ですよね!」
佐藤さんはメットを外しながら僕にそういった・・・
相変わらず美しいその整った顔と長い黒い髪に僕は一瞬だけ心を奪われる。
「お・・お久しぶりです!つ・・ツーリングですか?」
「ええ・・ほら、!この間・・・」
そう佐藤さんが言いかけた時、一台のBMWが駐車場に入ってくる。
加藤のBMである。その車を追いかけるようにベンツとポルシェが入ってきた。
「誠!すまないな!」
加藤の声がした・・・
「佐藤さん!すいません!昨夜、何度も電話をしたんですが、どうにも繋がりませんで・・・」
そんな加藤の言葉に佐藤さんは少し驚いたようにバックから、自分の携帯電話を取り出し確認する・・
「す・・すいません!で・・電源が・・」
「実は、僕のハレーの調子が急に悪くなりましてね!その連絡だったのですが、あなたを一人で走らすわけにはいかないので、仕方なく彼を呼んだ次第で・・・」
加藤はそう言いながら僕を見た。
「そ・・そうなんですか!返って気を使わせてしまったようで・・申し訳ありません!別に一人でも・・・」
そう佐藤さんが加藤に言いかけると・・・バタンとBMのドアが開き・・・
「今日子は本当に変わってるわよね!何で、バイクなの???マジで信じられないんですけど!加藤さん!ごめんね!今日子が迷惑をかけてしまって・・」
そこには・・洋菓子の例の順子と呼ばれる女が立っていた・・
「行きましょうか!」
加藤は、今日子に気を使うようにそう言った。
「先導はこいつがしますから・・坂本はドンくさそうですが、バイクに関しては結構な腕前なので・・・安心してください!」
そう加藤は言うと洋菓子の女と自分の車に戻っていく・・
「待っていたんですよ・・連絡が来るの・・・」
加藤が車に入るのを確認すると佐藤さんはそう・・僕にすねたような顔をしながら言った・・