可愛いあの人は高校生

今日もあたしは金髪の加藤くんとヤっていた。
まだ名前も知らない。



「なあ・・・ヤろうぜ？」
今日もいつものように金髪加藤くんはあたしをベッドに押し倒した。

「・・・ん。」
あたしの返事も聞かずにもう金髪加藤くんはあたしの服を脱がせていた。
金髪加藤くんは少し乱暴だ。
そして近付くと少し苦い煙草の香りがする。
最初は嫌だったその香りも今では落ち着くようになってしまった。


淡いあの香りはもう思い出せなくなった。


無くなった加藤くんの分を全部金髪加藤くんで埋めていった。
その結果あたしは少しずつ加藤くんのことを忘れていっていた。



煙草のせいで少しガラガラでハスキーな声も、綺麗な髪の色も、傷んだ毛先も・・・・・懐かしい横顔も。
なんだかこうだった気がしてくる。


これでいいんじゃない？



どこかでそう思っていた。
なのに・・・・どうして果てるとき思い出すのはあの人の名前なの？
いつもかすれた記憶の奥であの人の名前を呼んでいるの？