「おーい、緋真利ぃ?着替えたか? 父さんも母さんももう仕事行ってっから、 2人でご飯だぞ。」 「ちょっと待って、後少し! うん、わかったよ!」 ドア越しに聞こえる絢斗の声に、私は 安心感を覚えていた。 両親が死んでしまったのを自覚できたのは、 物心ついてからだった。 その時は、本当に泣いたっけ。今も、 思い出したらそれは辛くなる。