誘拐されちゃいましたっ!?




「しゅうやさま?」



誰だそれ?



「……やはり覚えておりませんか。」



紳士は顔を伏せて悲しそうにつぶやいた。



そんな顔されても、わかんないんだもん。



「そのしゅうやって人に私は会ったことがあるんですか?」



そう問いかけるとそれまで顔を伏せていた紳士が顔を上げた。



「はい。まだ、愁夜様も愛花様も幼かったですが、すごく仲がよくて、毎日のように遊んでいたんですよ。」



すごく微笑ましそうに話す顔を見て、嘘じゃないんだなと思った。