「ねぇ、あんた達ってどういう関係?」

もう新しい高校生活にも慣れてきた今日この頃。
友達の未弥ちゃんが真面目な顔をしてそう聞く。

ん?
どういう?

「え、ただの幼なじみだけど?」

首を傾げてそう聞くわたしに未弥ちゃんは「はー?」と呆れた顔。

「ねぇ、ただの幼なじみが毎日登下校しますかね?」

そんなこと言われても。

「だって、2人と登下校するのは小学校一年生からの日課みたいなものだし。今さら変えられないし。」

ぶーと、頬を膨らませる。

「言っとくけどあんた達おかしいよ?」
「おかしい?」

だって、と言いかけて未弥ちゃんはある方向を指差す。

その指の先には春汰。

「春汰くーん、日曜どっか行こうよー?」

春汰に言いよる女の子が2、3人。
春汰はいかにも嫌そうな顔。
いつも見ている何気ない日常。

「あれがどうしたの?」

わたしの問いには答えずに、その光景をみたままの未弥ちゃん。

わたしもつられてその光景を見る。

「ねぇー?春汰くん?」

少し悩んだ素振りをした後春汰が言ったことは
「ごめん、明日は真春の服一緒に選びに行く約束してたから。」


これもいつもの日常。

「あれがどうしたの?」

そう聞くわたしに未弥ちゃんは分からない!といったような顔。

「あんた、バカじゃないの?毎日登下校して、挙句の果てには休日は幼なじみと遊ぶ約束⁉︎あんたこのままじゃ、彼氏できなくなるわよ?」


彼氏が…
できない…?

わたしに…?

「え!なんで!!!」
「え?分からないの?あんた達本当バカ?」

春汰と悠埜と登下校するのは日課だし。
休日は皆で遊ぶのが当たり前。
春汰と悠埜のことなら何でも分かる。
これってただの幼なじみでしょ?
何にもおかしくないよ。