[一.side]

私は原田 一(はらた はじめ)、高校1年生。
クラスでは委員長しております。

「そこ通してもらっていいかしら?」
「あっ原田さん!おはよ!ごめんね!」
私は教室の扉に集まっている男の人たちに声をかけた。
すると、皆はちょっとほっぺを赤くして通してくれる。
「ありがとう」
ニコッとして教室の中に入っていく。

「ほんと原田さん綺麗だよなぁ、あんな彼女ほしいよ・・・。」
「まぁお前には一生無理だろ!はっはっはっ」

私にはそんな声聞こえていない。

あっ・・・。どてっ
私は教卓に気付かず角に腰を当てて転んだ。
大胆に顔から・・・。

「一(はじめ)!?大丈夫!?」
そう言って近づいてきたのは沖田 千鶴(おきた ちずる)だった。
私の小学校からの親友。
「うーん、何とか・・・。」
私はそう言って体を起こした。
「ぎゃー!!一(はじめ)!!鼻血出てる!」
私はそう言われて鼻の下に手を持っていってその手を見てみると血が付いていた。
「なっなっなんじゃごりゃー!!!」
「一(はじめ)!落ち着いて!」
私は自分の血を見てテンパった。

「ああ言うのさえなければいいんだけどなぁ・・・。」
さっき教室の扉の所にいた男の人たちが言った。
もちろん私には聞こえていない。

「ほら!ティッシュ!」
千鶴は私の前に手持ちティッシュを出した。
「あっありがとう・・・。」
私は千鶴からティッシュを受け取り鼻をふいた。

とっ止まらない・・・。
私は持っていたティッシュを半分ちぎって丸めて鼻に詰めた。
「おっけぃ!」
「あぁあ・・・、せっかく美人なのに・・・まっ仕方ないか」
千鶴は肩を落としていった。
「そう!仕方ないのよ!」私は吹っ切れた。

「ほんと、せっかく美人なのに・・・。」
扉の所にいる男の人たち、もちろん聞こえていない。