「本当のことをいって。

るりは、誰が好きなの?」

私のこの言葉にるりは少し眉をピクリと動かした。


私の経験上、

るりがそうするときは必ずキレてるんだよ。



「…そんなの。いずみに言ったって仕方ないじゃない。

和泉は私の力になんてなれないんだから。」

そういわれたとき、

心にズシンとなにかが乗っかった感じがした。

なんとも言えない、嫉妬心と共に。


「じゃあ、竜は役に立ったの?」

役に立ったなんて、そんな言い方好きじゃないのに、

なんでこんなこと言ったのかわからない。

ただはっきりしてるのは、

無性に腹が立ってること。

理由はわからないけど

イライラしてること。

…違う。わかってる。

イライラしてるのは、
竜が、私以上にるりに頼られてるから。

るりを、取られた気がして…


「…そんな言い方するなんて珍しいね。

よっぽど腹が立ったのかな?

私が竜とヤったから。」

るりは悪魔みたいに笑って

私の方を見た。

一瞬、ゾクッとした

私のなかで、なにかが崩れたように。

るりは続ける

「いずみはさぁ、私のことなーんでも知ってるよね。

でもさ、いずみが知ってる私って、それがすべてじゃないんだよ。

和泉は私が流されて中田をいじめた思ってるみたいだけど

ぜーんぜんちがうから。

私にとって邪魔だったからだよ」

そう言って笑った。

この言葉には竜も驚いてるようだった。

「そうだよ、全然知らない。
だから聞きに来たの。

あなたにとって、私はどんな存在なの…?」

きっと、私の知ってるるりなら

もちろん!大好きな存在だよ!!


って答えただろうね。

でも、今はどうなの?

今、本当のことをいったら、

私はあなたの親友だって言える?

いってくれるの?

私の問いかけに困惑したようなるり。

でも、真剣な顔で私を見つめてきた。

あ。

くる。

私は覚悟を決めて

見つめ返した。

るりから出た言葉は

意外なものだった。