……ん?
ちょっと待て、
なぜ迷子になった?
昔は使ってたってことは、知ってるはずじゃないのか!?
ってうなだれてる大河に聞くと、
「いやぁ、ま、気にするな」
って。
なんなんだよ、いったい。
「すいませーん」
保健室に私の声が響き渡る
誰もいないのかな…?
「奈美恵ちゃーん」
大河が大声を出す
ん?
奈美恵…?
「またあんた?」
って声がしたと思ったら、
ベットがおいてあるところのカーテンから参上した、女のひと。
…え、
「奈美恵さん?」
私が声をかけると、
奈美恵さんは私の方を向いた
と思ったら、急に抱きついてきて
「いずみちゃぁぁん!!待ってたわっ!!!」
って。
え、さっきの声と違いすぎる…。
「ってゆうか、なんでここにいるんですか?」
「えー、それはねぇ、私がここの方が保険医だからよー!」
え、うそ。
「それとねぇ、もう1人…イズミちゃんが知ってる人いるわよー♪」
「私が知ってるひと…」
教師とかやりそうなひと…
零夜さんとか?
あ、意外と太郎さんとか。
さっきの龍之介さん似の人は違うだろうから、
きっとその二人。
「会ったとき、わかりますかねぇ?」
「…てっきり気づいてるのかと思ってたのにぃ…」
「え、なんでです?」
「さっきあったでしょ??龍之介に…「おい。」
割って入ってきた男の声。
大河のものではない。
けど、私に馴染みのある声。
「…龍之介さん?」
「…なぜバラすんだ。」
「えー?そりゃぁ気づいてるかと思ったから…」
「なぜ気づかない?」
え、私??
「てっきり、サラリーマンかと思ってたので…」
「お前は俺に会いたくないのか?」
ん?どうしてそっちにいった?
「会いたいです…」
家で逢えますけど
って続けようと思ったけど、余計そうだからやめた。
「そうか。」
…ほんと、この人は読めない。
この会話で何が嬉しかったのか
さっきまでの不機嫌さが吹っ飛び、
上機嫌になってる。
「…草薙のことしってるのか?」
大河がたづねてくる。
「さっきいったじゃん?これからお世話になるって」
「…あぁ!そーゆー関係な!」
私が大河に説明してると、
龍之介さんが間に入ってきた
「お前は和泉とどんな関係なんだ?」
すごいどすの聞いた声で聞いたもんだから
大河はびびりながら返事した。
…大河も弱いわけじゃないけど、
多分、龍之介さんには敵わない。



