屋上に上がる階段を上ろうとすると、

扉の向こうからガタガタと物音がした。

慌てて扉を開けると、

そこにはイカツイ集団がいた。

「風間大河…。よくも俺の女を犯しやがったな」

そう言って殴りかかろうとする男。

多分、殴りかかった方の後ろにいた女が彼の言う“俺の女”なんだろうけど…

すごいウソっぽいんだよね。

いや、泣いてるんだけどさ、

確かにその女は泣いてはいるんだけどさ、

うそ泣きな気がするんだよね。

何て思ってたら、

「…めいさんじゃないですか。
俺、あの人に誘われたからヤっただけなんすけど?」

なんて、透かした顔で言ったから、

火に油。

喧嘩が始まった。

まぁ、二人だけの喧嘩なら私達は一切手を貸さないけど、

割り込んでくる男の子分らしきやつら。

男なら男らしくタイマン張れよ

とは言わず、

竜が参戦した。

私も参戦しようかなぁとは思ったけど、

そこまで強い相手じゃなさそうだし、

竜に、

「おとなしくしとけ」

って釘を刺されたから、

私は黙って従った。

すると、扉の方に向かってきたるり。

こっちに来るのかなぁ?

と思ったけど、

私の前を通りすぎ、

“めいさん”の前までずんずんと歩いていった。


…ちょっと、あれ?

なんか、嫌な予感がする。



何てのんきに考えてたら、

バシンッッッ


と、大きな音が屋上に響き渡った。

「あ…。」

不意に出ちゃった声。

仕方ないじゃん。

予感が当たっちゃったんだもん。

るりはきれいな平手打ちを“めいさん”に決めたんだもん。

“めいさん”は、

「いってぇなぁ!!」

と逆上。

あーぁ、

なにやってんだか…

ってあきれてたら、