柳っちが教室から出ていくと、

私を囲むようにさっきのギャルが集まってきた。

「草薙さん、だっけぇ?」

「さっきの、なによ?」


なにって…

「ちょっとした挨拶ですよ。」

「はぁ?きどってんじゃねーよ。」

そう言って私の机を蹴った。

いった…

いきなり机蹴られたから机と椅子に挟まれた感じになってる。

やば、

圧迫されてるわ…

私痩せるかも…。

なんて冗談は置いておいて…

ガタン

と音をたてて机を倒すように立ち上がる。


「気取ってるって言葉の意味、わかって使ってる?」

気取ってるって、夫婦気取りとかそんな感じでしょ?

夫婦になったつもりでそれらしく振る舞うこと。

私、何になったつもりに見えるのかなぁ?

んー、意味わかんない。

「はぁ!?ばかにしてんじゃないわよ!?」

「ばかになんてしてませんよ?
知ってるのって聞いただけ。」

「「はぁ!?」」

あ。

ハモった。

後ろの方で電話してる女と、私に叫んでる人。


「やめろってどうゆうことよ!?」

電話をしてる方にみんなの視線がいく。


「誰と電話してるの…、」

黒ギャルが心配そうに聞く。

ちなみに子の黒ギャル、私の机を蹴った人。

「るりよ。なんなのあいつ。」

電話が終わったのか、

黒ギャルの質問に不機嫌そうに返事した。

「るりがダメっていったらダメじゃんね。」

黒ギャルは私の机を直して自分の席に座った。

るりって人の独裁政権なのかなぁ…?

とは思ったけど、

電話してた方はずっとぶつぶついってる。

「…あいつ…、」

って。


…もしかして、

って思ったとき、

教室の扉が開いた。



「「るり!」」

ギャル達が開いた扉の方をみてそう叫んだ。