「静かですね…」

ポロっと出た言葉。

なんの意味もなかったけど、

龍之介さんはすこしさみしそうな顔をして

「嫌いか?」

そう聞いてきた。

「え、いや、あー、好きではないですけど、龍之介さんならなぜか不快じゃないんですよねぇ…」

そういうと、

少し笑って

そうか。
とだけいった。

あとはいつも通り沈黙。

なのに、私の体内時計よりも早く学校についた。

正門には結構いっぱい人が居る。

私は車を降りると

一般の校舎へ向けて歩き始めた。



車が向かう方向なんて気にもとめずに。