なんてのんきなことを考えてたら、
みんなが起きてきたので、
慌てて料理を並べた。
龍之介さんは無言で私の横にいる。
「龍之介さん、座らないんですか?」
私が声をかけたら、食事場を出ていってしまった。
えぇ、なんで…
とは思いつつも、
みんなのご飯とかいれてたら
止める暇もなかった。
幸子達の分をついでから、
三人を呼びにいこうと食事場をでた。
「「「いずねぇ!おはよぉ!!!」」」
あれ、私まだ部屋にいってない…
三人が駆け寄ってきて抱きついてくる。
かわいいっ♡
「自分で起きたの?」
「えっとねぇ、イケメン王子さまが起こしてくれたの!」
嬉しそうに美幸が答えた。
…イケメン王子さま…
あぁ、龍之介さんか。
あ、さっきいなくなったの、三人を起こしに行ってくれたんだね。
私は三人を座らせ、
あとから入ってきた龍之介さんにお礼をいった
…ら、
「お前、今日から忙しくなるからな。」
そう言った。
え、なにかあるの?
少し不安になりながら、行事があるのかと尋ねたら、
おっちゃんがめちゃくちゃ笑顔で
「今日はいずちゃんの登校記念日になるんだよー!」
ん?
登校?
私学校なんて行ってないけど…。
「龍之介が入学の手続きとかしてくれたのよ♪」
にゅ、入学…?
「制服はそろそろ届くはずだ。」
そう言った直後チャイムがなった。
太郎さんが笑顔で駆けていった。
すると、向こうの方から聞き覚えのある声が…
「ちょっと!あの可愛い子ちゃんを出しなさいよ!あんたはいらないわ!」
…えっと、、
この声は確か
昨日いった服屋さんで
私に任せろ的なことを言った
清家さんの声…。
「なんだよぅ、自分の彼氏にその態度は!」
嬉しそうな声でそう言った太郎さん。
え、彼氏…?
清家さんって、レズじゃないの…?
もしかして、太郎さん女の子?
いや、それはないか。
蓮司さんたちと一緒にお風呂入ってたもんね。
…え。どゆこと?
興味本意で玄関までいくと、
清家さんにケリを入れられてる太郎さんがいた。
…あ、そう言う…。
大人のプレ、ィ…事情ね。うん。
「あ!おはよう!かわいこちゃん♡」
さっきとはまるで違う声を出して寄ってきた清家さん。
え、え…
清家さんは戸惑ってる私の近くには来ずに、
途中で止まって、
私の斜め上をにらむように見た。
「あんたもいたの。」
そう言って地面に箱をおいた。
最後は笑顔で、
「かわいこちゃんばいばい♪また会いましょうね!」
そう言って帰っていった。
…あんたもいたの。って…
ちらっと後ろを見ると、
そこには不機嫌オーラ丸出しの龍之介さんがいた。
龍之介さんは、清家さんがおいていった箱を開けて、
なにかをとりだし、私に渡した。
「あ、制服…。」
かわいい。
でもたしか、この制服って…
「香林高校の制服だ」
だよね。
香林高校って言えば
特別クラスはVIPしかいけなくて、
普通クラスの人たちを蔑むような目で見るってあの有名な…?
ま、まさかだけど…。
「悪いねぇ、特別クラスはさすがに空いてなかったみたいなんだよ」
おっちゃんが神様に見えたよ。
よかったぁ…
「あ、でも、私学校にいっちゃったら仕事できなくなりますよ…?」
「あぁ。それなら大丈夫さ。蓮司が全部やってくれるさ。」
おっちゃんが笑っていった。
え、それなら私居る意味なくないっすか…?
「もういいだろ。お前は黙って学校に行けばいいんだ。」
そう言ってにらんできた龍之介さん。
そんなにらまれちゃ、抵抗できないじゃん…
…じゃあ、お言葉に甘えちゃいますか!
「じゃあ、学校に行かせてもらいます!
みんな、ありがとう!」



