「今日は何を作るんだ?」
厨房で材料を広げると、
不思議そうに聞いてきた。
あー、
普通は使わないかもなぁ…
「今日の朝御飯のメインは春巻きですよ♪」
そう言って材料を切っていく。
龍之介さんには野菜をお願いする。
できるだけ栄養を整えないといけないから…。
と思って隠し味にピーマンとか刻んでいれる。
この前、カレーにいれたときも気付かれなかったから、今回も気づかないだろうな…
何て思いながら、作る。
朝御飯の下ごしらえが終われば、
揚げたり焼いたりしてる合間に今日の夕飯の下ごしらえをする。
ここに来て一番驚いたことは、
食品がなぜか耐えないこと。
誰かが買い足してるんだろうけどね。
…じゃなかったらホラーでしょ…。
まぁ、あったら便利だけど。
節約にもなるしね!
なんて妄想してたら、
横からすごい視線を感じた。
はっとして見てみると、
じーっとこっちをみてくる龍之介さん。
「…あの?」
「…なんでもない。」
龍之介さんはそう言ってまた準備し始めた。
…不思議だなぁ…。
時計を見ると、いつもより三十分早い。
二人だと違うなぁ
なんて感心してたら、
龍之介さんに声をかけられた。
「…おい、和泉。」
久々に名前を呼ばれ、少しドキッとした。
「どうしました?」
「…いや、なんでもない。」
んー?
さっきから龍之介さんおかしいよね?
なんか、うずうずしてる感じ?
いや、違うか…
でもなんか…
「龍之介さん、なんか変ですよ?」
そう言うと、ビクッと一瞬体を揺らした。
あ。
やっぱり、なにかある…。
「なにかあるんですか?」
そう言ってから、昨日のことを思い出した。
あ…。
「サプライズ…?」
そう言うとまた体を揺らした。
やっぱり。
龍之介さんって、意外と嘘つけない人なのね。
「聞いたらおこります?
昨日みたいに…。」
さらっといっちゃったけど、
根に持ってるみたいじゃんね!
しかも気にしてますみたいな!
ヤバイヤバイヤバイ
「あ、いや、ごめんなさい、えっと…」
慌てて弁解の言葉を探すけど出てこない。
「…別に昨日は怒ったわけじゃない」
龍之介さんは少し笑ってそう言った。
「え、でも…」
お酒飲ませようとしたとき、
私を避けたでしょ…。
あれ、
でもなんで私の事避けてるのに私の部屋に来たんだろ…
「怒ってたらお前の部屋で待ってたりしないだろ。」
真剣な顔でそう言った龍之介さん。
え、待ってた…って、
私のことを…?
「え、じゃあなんで席をはずしたんですか?」
そう聞くと、ばつの悪い顔をして、
沈黙になった。
うー、
それは教えてくれないのか…
まぁでも、怒ってないならそれでいいか…。



