…いなくなった瞬間なんか心細くなった。

前まではそれが普通だったのに。


私はその気持ちをなかったことにして、

布団に潜り込んだ。

ガサガサ

ドンドン

隣で音がする。

幸子達が暴れてるのかと思ったけど、

音がするのは右隣。

幸子達は左隣。


…だれ?

慌てて顔をだす。


そこにいたのは

平然とした顔で布団をひいてる龍之介さんだった。


「え、ちょ、龍之介さん!?」

なんで同じ部屋に!?

っていおうとしたら、

「今日だけだから。」

そう言った。


…まぁ、別にやましいことなんてないし…

一日だけだし、

いいかな…。


なんて、そんなこと言うけど、実際嬉しくて仕方ない。

そんなの、絶対に言わないけど。




「あ。」

龍之介さんが声をあげたので視線を送る


龍之介さんは布団から抜け出し、

部屋に戻っていった。

…え?

少し戸惑って、

布団の上で座ってたら

戻ってきた龍之介さんは

持ってる箱を私に押し付けるように渡してきた

「ん。」

「…え?」

「お前のだ」

そう言われたので、素直に受け取り、

中身を見てみる。

…え、っと

おっちゃんと口裏合わせなかったのかな?

なーんで、

「携帯電話…」

「おう。」

少し満足げにそう言った龍之介さんをみて

クスッと笑ってしまった

バカにしたとか、そういう訳じゃなくて、

ただなんとなく、かわいく感じた。


「これは俺専用の携帯だ。
俺の連絡先以外入れるなよ」


そう言って少し脅すような顔をしたけど、

さっきの顔が可愛すぎて、


全然怖くなかった。



私達はこのあと少し笑いあって

眠りについた。