「ついたぞ。」

龍之介さんに声をかけられるまで、

自分の世界に浸ってた私。

わぁ、はずかしっ!

「えっと、ここは?」

どう見ても洋服屋さんだよね?

「服屋だ」

いや、それは見てわかるけど…

「なんのためにここに?」

「…来ればわかる。」

龍之介さんはそう言って私の手を引いた。

…この前はさ、手首握ってただけだけどさ、

今回はなんで、

こ、恋人繋ぎ…?

「ちょ…」

「いらっしゃいませー!あら、草薙様!」

ここでもVIP待遇。

しかもチラチラお店の人に見られるし…

コソコソしてるし!

もぉ!!なんなのよー!!

そりゃね、こんなイケメンの隣にね

私みたいな普通な子がいたらね見るだろうさ!

けど!見られる方はいい気はしない!

せめて、あらぁ、女の子の方もかわいいね

とかならいいんだけどねっ!!!!!

なんて心の中で叫んでると、龍之介さんに呼ばれた。

私が龍之介のところへいくと、

二人のお姉さんに捕まった。

「ちょ…」

龍之介さんに目線で助けを求めても、

よろしく頼むぞ

そう言って私を見送った。

え、ちょ、どうなってるのよ…