私は急いで部屋にいく。

…思った通り、荒れてる。

多分、通帳を探してたんだろうね

部屋になんか置いておくわけないじゃん。

私は龍之介さんがもってきてくれた段ボールに必要なも のを入れる。

私の荷物は本当に少ない。

洋服2セットと、お父さんの写真。

あと、パジャマだけ。

まず、買うお金ないし。

段ボール半個分で終わった。

あとは三人の荷物。

必要最低限の荷物をもつ。

三人の荷物も少なめだから、

思った以上に少なくなった。

ガムテープを張った段ボールを一個づつ運んでくれる龍 之介さん。

全部運び終わった頃、

玄関の扉を開ける音がした。

龍之介さんは横にいる。

入ってきたのは、あの女だ。

「あら、いたの。1000万用意できたのかしら?」

女は笑いながらそういった

「私達、家でますから。養子縁組にしてもらいます」

「ふーん。どうでもいいわ。でも、1000万は払いなさいよ 」

…どうでもいい、ねぇ。

予想はしてたけど…

「1000万…」

龍之介さんの方から声がした。

でも、私はそれどころじゃない

「今すぐには無理です。でも、いつか絶対に返しますか ら」

私がそう言うと

はっと笑って

「払ってからじゃないと、家出ることは許さないわ。」

「無理に決まってるでしょ」

「そうねえ、なら、とりあえず今の貯金全部よこしなさ い。」

「…わかりました。」

私は鞄から通帳を取り出す。

あと、印鑑も。

「どうぞ。」

私がそう言って机の上に置こうとしたとき、